見積書と請求書の違い、そのまま請求に切り替える流れ
同じ明細を二度打ち直していませんか。 見積書と請求書は書式が近いぶん、作り直すときに 金額の食い違いが起きやすい書類です。
どこが違うのか
| 見積書 | 請求書 | |
|---|---|---|
| 出すタイミング | 取引が決まる前 | 納品・提供が終わったあと |
| 相手に伝えること | この条件でいくらになるか | この金額を支払ってください |
| 金額の意味 | 提案。相手が断ることもある | 確定。支払い義務が生じる |
| 特有の項目 | 有効期限(いつまでこの金額か) | 支払期限・振込先 |
| 保存の必要 | 受注の経緯として残す | 帳簿書類として保存義務がある |
明細・数量・単価・消費税の計算方法はどちらも同じです。 違うのは「まだ決まっていない」か「もう確定した」かという一点で、 そこから期限の書き方と保存の扱いが分かれます。
見積書で抜けやすいのは有効期限
有効期限を書かないと、半年後に「あの見積で」と言われても断りにくくなります。仕入価格が上がっても、提示した金額が生き続けてしまうためです。
期限の長さに決まりはありません。1か月程度にしておき、 過ぎたら出し直す運用が扱いやすいはずです。
受注が決まったあとの流れ
見積書が通ったら請求書に切り替えます。ここで見積書を書き換えて請求書にしてしまわないこと。見積書はそのまま残し、請求書を新しく作ります。
- 見積書は消さない「この条件で受注した」という根拠になる。金額でもめたときに立ち返る先がなくなる
- 番号は別の系列にする見積書と請求書で番号を共有すると、どちらを指しているのか後から分からなくなる
- どの見積から起こした請求かを残す案件ごとに「提案した額」と「実際に請求した額」を突き合わせられる
- 同じ見積から二重に請求しない紙やExcelでの運用で最も起きやすい事故。同じ仕事の請求書が2枚出てしまう
金額が変わったとき
作業の途中で内容が増えることはあります。そのときは 見積書を書き換えるのではなく、追加分がわかる形で請求書を作ります。
見積の時点の金額を残しておけば、 「なぜ最初の提示より高いのか」を明細で説明できます。 上書きしてしまうと、その説明ができなくなります。
よくあるつまずき
- 見積書のファイルを上書きして請求書にした
- 受注時の条件が消え、認識の食い違いが起きたときに確認できません。別の書類として作ってください。
- 見積書と請求書で金額が1円ずれた
- 作り直すときの端数処理が原因のことがあります。消費税は税率ごとに合計してから1回だけ処理します。
- 同じ案件の請求書を2枚出してしまった
- 見積から請求に変えた記録が残っていないと防げません。どの見積から起こしたかを紐づけておきます。
- 見積書に登録番号を書くべきか迷う
- 適格請求書の要件は請求書側の話です。見積書に書いても差し支えありませんが、必須ではありません。
このページは実務の一般的な説明です。個別の取引の扱いについては 税理士にご確認ください。
消費税の端数処理は インボイスの端数処理は「税率ごとに1回」 で詳しく説明しています。