インボイスの端数処理は「税率ごとに1回」
明細の行ごとに消費税を計算して、それを足していませんか。 適格請求書では、その計算方法は認められていません。
ルールはひとつだけ
ひとつの適格請求書につき、税率ごとに1回。
10%と8%が混ざっている請求書なら、端数処理は最大2回です。明細が何行あっても、回数は増えません。
つまり、先に税率ごとの対象額を合計してから、その合計額に対して 消費税を計算します。行ごとに消費税を出して端数処理するのは、 回数が明細の数だけ増えてしまうため認められません。
なお、切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを使うかは事業者が選べます。決まっているのは「回数」であって「方法」ではありません。 ただし請求書ごとにやり方を変えるのは避けてください。
実際にどれだけずれるか
下の6行の請求書で、正しい計算と、行ごとに端数処理した場合を 並べます(どちらも切り捨て)。
| 品目 | 税抜 | 税率 |
|---|---|---|
| Webサイト デザイン費 | ¥1,234 | 10% |
| 撮影費 | ¥2,345 | 10% |
| 印刷費 | ¥3,456 | 10% |
| コーヒー豆(お土産) | ¥1,180 | 8% |
| 紅茶(お土産) | ¥980 | 8% |
| 焼き菓子(お土産) | ¥1,380 | 8% |
正しい計算
- 10% 対象 ¥7,035¥703
- 8% 対象 ¥3,540¥283
消費税合計 ¥986
行ごとに端数処理(不可)
- 10% 対象¥702
- 8% 対象¥282
消費税合計 ¥984
差は ¥2。金額としては小さくても、請求先の経理と数字が合わないので、そのたびに問い合わせと再発行が発生します。
ずれる理由は単純で、切り捨てる回数が違うからです。行ごとに処理すると 6回切り捨てることになり、切り捨てた端数が積み上がって少なくなります。
請求書に何を書くか
適格請求書には、税率ごとに区分した対象額と消費税額を載せる必要があります。「消費税 ○○円」と1行だけ書いて 済ませることはできません。
- 税率ごとの対象額10%対象 ○○円 / 8%対象 ○○円 のように分けて書く
- 税率ごとの消費税額上で分けた区分ごとに、それぞれの税額を書く
- 軽減税率の印8%の明細がどれかを記号などで示す
- 登録番号T + 13桁。これが無いと相手は仕入税額控除を受けられない
よくあるつまずき
- 表計算ソフトで行ごとに税額の列をつくっている
- 各行に「単価×数量×10%」の列を置いて合計すると、行の数だけ端数処理したのと同じになります。合計してから税額を出す順番に変えてください。
- 相手の経理と1円合わないと言われた
- 端数処理の回数が違うのが典型的な原因です。どちらが正しいかは、税率ごとに1回になっているかで判断できます。
- 請求書ごとに切り捨てと四捨五入が混ざっている
- 方法自体は選べますが、都度変えると同じ取引で金額が揺れます。社内で一つに決めてください。
- 0%(輸出免税)の明細が混ざっている
- 0%も税率区分のひとつとして分けて表示します。海外の取引先への請求は書式そのものが変わります。
このページは制度の一般的な説明です。実際の申告や、個別の取引の 扱いについては税理士にご確認ください。
海外の取引先に請求する場合は 輸出免税の請求書の書き方 もあわせてご覧ください。